移動平均線について気を付けること

相場一般

チャートを見る時,移動平均線を表示させている人は多いと思う.

移動平均線は,過去の一定期間の株価の平均値を連続して計算してグラフ化したもので,テクニカル分析で使用される指標である。

日足の場合,5日,25日,75日の移動平均線を使っている人が多いが,その値は絶対的なものではなく,移動平均線を使う人によって自由に平均値をとる期間を設定することができる.

移動平均線は株価の過去の値動きをもとにして描かれるものであるから,当然のことながら移動平均線の傾きや,5日,25日といった様々な期間の移動平均線同士の関係,株価と移動平均線との関係などは現在の株価に遅れて動く.

そのため,現在の株価と移動平均線の位置関係などは,その後の値動きによって後からみると,その位置が変わっている可能性があるということを忘れてはならない.

例えば,現在の株価が5日移動平均線の上に出たので,買いポジションを持ったとしよう.

その後,一度も上がることなく株価が下げ続けたあと,その買いポジションを取ったときの株価と5日移動平均線の位置関係をみてみると,買いポジションを持ったときにはまだそのときの株価が5日移動平均線の上には出ておらず,移動平均線の下であったということもある.

つまり,現在の株価と移動平均線との位置関係は,その後の株価の値動き次第でいくらでも変わるということである.

移動平均線は過去のチャートを見ると,実によく機能しているように見えるが,それは過去のチャートの過去の株価だからであって,現在の株価とそのときの移動平均線との位置関係は,その後の株価の動きによっていくらでも変化しうる.

この前提のもとで移動平均線をトレードに利用していかなければならない.

従って,現在の株価と移動平均線との関係などは,まだ確定していない参考情報程度として考えている方がよい.

そのため,人によっては現在の株価と移動平均線の位置関係よりも各期間の移動平均線の傾きを主に見る人もいる.

特に,長い期間の移動平均線の傾きはそうそうすぐには変化したりしないからである.

5日移動平均線のような短い期間の移動平均線の傾きは,その後の値動き如何によって意外と簡単にその傾きが変わってしまう.

もちろん,5日移動平均線と株価の位置関係も然り.

移動平均線はトレードをする上で様々な情報を与えてくれるとても役立つテクニカル指標であるが,その特性をよく理解した上で利用することが大切である.

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