トレードは100%勝ち続けることができないということは,誰もが知っている.
なので,自分がポジションを取ったあと,自分の読み通りの展開にならなかったときには,損切りをする必要が出てくる.
しかし,その損切りを躊躇うことが実に多い.
人は損失を確定したがらず,利益は早く確定したがる傾向がある.
これに関しては,行動経済学のプロスペクト理論が大いに参考となろう.
人は損失を確定させたがらないので,時に評価損がとんでもないことになってしまい,大きな損失を出してしまうことがある.
これが俗に言う,こつこつどかーんである.
こつこつ利益を積み上げて,その利益をどかーんで吹っ飛ばす経験は誰もが一度は通る道であろう.
トレードは相場という場で商いをすることなので,これはパン屋と同じようなものである.
パン屋はパンを売って利益を得ているわけであるが,そのためにはパンを作るための材料費や光熱費,店舗を借りるなら,店舗代に,販売のための広告宣伝費,そして,販売員の人件費など,実に様々な必要経費が商いをする上でかかる.
トレードもそれと同じことである.
トレードを行うためには売買手数料や信用取引における経費などと一緒に損切りという名の経費も当然必要である.
トレードで10万円を稼ぐためには,損切り=必要経費が5万かかることだってあるではないか.
ただ,いくら損切りは必要だと言っても,資金が少ないときにばんばん損切りしていたら,あっという間に資金が尽きてしまうので,資金が少ないときのトレードというのは本当に難しいものがある.
これは資金が少ない人の宿命である.
トレードで自分がコントロールできるのは,損切りの額だけであり,利益は自分の意志で制御することはできない.
トレードで利益を残していくためには,いかに必要経費(損切り)の額を抑えるかが重要である.
そして,いかに損しないかを考えてトレードをすると,自然と利益が残るものである.