損小利大,言うは易く行うは難し

トレード

トレードにおいては損失は小さく,利益は大きくする,損小利大が理想であるが,現実はなかなかそのようにはできない.

なぜなら,概して人は,損失はなかなか確定したがらず,利益は早く確定したがるからである.

それ故,小さな利益を積み重ね,大きな損失を出してしまう,俗に言う「こつこつどかーん」となってしまうのである.

損小利大がうまくいくためには,最初のトレードで運よく大きな利益を手にすることができれば,意外と簡単に損小利大を目指すことができる.

なぜなら,最初に大きな利益を得ることにより,トレード資金がその分増えているために,その後小さな損失を積み重ねることになってもその損失が最初に得た利益の範囲内であれば,自分が最初に用意したトレード資金を減らさずにすむからである.

このことは心理的に実に大きい.

これが逆であったならば,つまり,最初から小さな損失を積み重ねることになれば,自分が最初に用意したトレード資金がそのたびに減っていき,それがいつまで続くか分からないので,損失を重ねることに恐怖心を抱いてしまう.

トレード資金が尽きたら,その時点で退場である.

人は先が見えないことに恐怖心を持ちがちなので,例えば,10回損失を出したあとに,大きな利益を得ることが確約されていれば,10回の小さな損が続くことにさほど恐怖を感じはしないだろう.

しかし,現実は小さな損失を重ねたとしても,その後,大きな利益を得られる保証はどこにも何もない.

特にトレードを始めた頃は,トレードがうまくないわけで,もちろん,最初からガンガン利益を出せる人もいるだろうけど,そういう人は,おそらく,ごく少数である.

トレードがうまくないのにひたすら小さな損失を重ねるというのは心理的にかなりしんどい.

そもそもトレードがうまくないのに,大きな利益が得られると思ってること自体が間違いかもしれない.

では,どうすれば,損小利大ができるのかであるが,思うに最初から損小利大を目指さなくてもいいのではないか.

トレードがうまくなるまでは,損を小さくすることを目指し,利益については小さな利益を積み重ねることになってもいいのではないかと思う.

トレードにおいて自分の意志でコントロールできるのは損失の額だけであり,利益はコントロールできない.

従って,いかに損失を小さく抑えるかがポイントである.

損失を小さくする技術がしっかりと身につけば,あとは,少しずつ利益を大きくすることを目指せばよい.

最初に小さな損を積み重ねることになり,トレードのために用意した資金を減らすことになるかもしれないが,トレード1年目から年間損益がプラスになると思わない方がよい.

1年目はマイナスになっても仕方がない.

2年目はとんとんか,よくてプラス.

3年目からコンスタントにプラスになっていくという感じでいいのかもしれない.

従って,1年目は最初に用意したトレード資金を減らしてしまった場合,トレード以外の手段でその資金を補充できる手段を確保しておくのがおすすめである.

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