トレード仕方は千差万別で,その始め方もまた千差万別である.
そのため,時にどのようにトレードをしたらよいか迷いが生じる時がある.
特に,なかなか利益が出せず,損失ばかり続くときはそのような迷いが生じやすい.
そういうときは,トレードの始め方を規格化してみるのがよい.
毎回,トレードを始めるときの条件とその始め方を決めるのである.
例えば,トレードを始める時の条件として75日移動平均線と25日移動平均線が上向きで,かつ,株価が5日移動平均線の上にあれば,買いトレードを仕掛けると決めるのである.
こうすることによって,毎回同じ条件からトレードを始めるので,そのようにして始めたトレードの結果の検証がしやすい.
毎回じ条件からトレードを始めても,うまくいくときと,そうでないときがあるはずで,そのような違いが生じる理由が何かを探りやすいのである.
そして,その違いが生じる理由が分かれば,トレードを始める条件にトレードがうまくいったときの条件を追加してやればよい.
さらには,トレードの始め方も,例えば,毎回新規買い仕掛けをすると,一度は必ず逆行してしまうと思っているならば,トレードを売り1ーと買いー1の同数の両建て,すなわち,1-1から始めてみるのもよい.
1-は売り1枚,ー1は買い1枚のことで,1-1はポジションが売り1枚,買い1枚あることを表わす.
1-1からトレードを始めていつも通り逆行して売り玉が含み益になれば,売り玉を利食いして買い玉のみにすれば,そこで初めて買い仕掛けをしたことになる.
その時点では買い玉は含み損になっているが,売りを外した時点ではその含み損は決済した売りの利益によって補填されているので実質損失はない(売買手数料などのことはここでは考えない).
もし,1-1から始めてすぐに上がって売り玉が含み損になったら,どうするか.
そのときでもいろいろと手があり,例えば,その時点で売り玉を損切りすれば,確定損が発生するが,その確定損はその時点の買い玉の含み益で補填されており,実質損失はない(売買手数料などのことはここでは考えない).
この場合は,売り玉を損切りした時点から買い仕掛けをしたことになる.
あるいは,1-1から始めてすぐに上がったとしても,そのまま上がるとは限らないので,1-1に買い1枚を追加して,ポジションを1-2にしてしばらく様子見をするということもできる.
1-2にしておけば,そのまま上がっても買いの枚数が多いので,ポジションの含み益は増えていくし,もし,1-2のあと,たとえ下がっても売り玉がポジションに残っているので,それがヘッジとしての役割を果たすことになる.
このようにトレードの始め方を1-1に決めて毎回始めると,その後の相場展開によって,どのように建玉操作をすればよいか,その建玉操作もある程度規格化されることになる.
トレードを毎回決めたスタイルで始めることによって,その後の相場展開によってどのようにトレードすればよいかがルーティーンのように分かっており,余計な迷いが生じにくい.
迷いが生まれるということは,そのとき自分がどのようにトレードすればよいかがよく分かっていないということであり,だいたいそのようなときに打つ手というのはうまく行かなかったりする.
なので,どのようにトレードするかを最初に決めておくことにより,迷いをなくすのである.
トレードに関わる諸作業をルーティーン化することにより,トレードがスムーズに行えるようにしてやるのである.
このようにトレードに関わる諸作業をルーティーンのように決めると,自然体でトレードができるようになるのである.