トレード恐怖症,これにかかると,しばらくトレードができなくなる.
それだけでなく,ひどい場合はトレードを再開することすらできず,そのまま退場となる場合もある.
トレード恐怖症とは,自分が想定した以上の大損失を出し,その額の大きさから精神的ショックを受けた場合や,トレードをすればするほど損失が増え続けて,一向に好転の兆しがない場合,トレードすることに恐怖を覚えてしまう症状である.
トレード恐怖症になると,トレードすると,また大損失を出してしまうのではないか,トレードしても損失にしかならないのではないかという思いから,ポジションを取るのが怖くて何もできない状態になる.
ザラバが始まる前には吐き気やめまいがしたり,ザラバが始まってもトレードするのが恐怖なので,何もできずただひたすら値動きを眺めるだけの時間を過ごしたり,ザラバが終わると,明日の朝が来なければいいのにとさえ思ったりする.
こういう状況が連日続き,そのつらさといったら,半端ない.
そのつらはトレード恐怖症になったことがない人には想像すらできないだろう.
兼業トレーダーなら,トレードをしなくてもなんとかなるかもしれないが,専業トレーダーだと,トレードしなければ,収入がはいってこなくなるので,とにかく,トレードをしなければという気持ちと,トレードしてもまた損失を出してしまうのではないかという恐怖とが入り乱れ,とにかく日々トレードしなければという焦りだけがつのる.
しかし,いくら焦っても損失を出す恐怖からなかなか最初の一歩が踏み出せない.
そして,ただひたすら時間だけが過ぎていく.
トレード恐怖症を克服するには,トレードをしなくても生活ができるのであれば,しばらく相場から離れるしかない.
とにかく,相場のことを考えない時間をしばらく過ごし,その後,またトレードしたくなれば,相場に戻ってくればよい.
トレードしなくても生活ができるのであれば,何も無理してトレードをする必要はない.
もし,トレードをしないと,生活ができないのであれば,しばらくはバーチャルトレードを行って,自分のトレードのやり方で利益が出せるというのを確認してから,ロットを最小単位まで落としてひたすらトレード練習からやり直して勝ちぐせを身につけるほかない.
ちょっとしたことで本来の自分のトレードができなくなって損失を重ねていたのであれば,基本に立ち返り,本来の自分のトレードを取り戻せばよい.
とにかく,なぜ大損失を出してしまったのか,なぜ損失を重ねてしまったのか,その原因を探り,それを改善していくことでしか前には進めない.
もっとも最初から利益を全く出せていないのであれば,リアルトレードを行うよりひたすらバーチャルトレードで期待値がプラスとなるトレードルール作りから始めるべきである.
いずれにしても,トレード恐怖症の克服にはある程度の時間がかかり,その時間の経過のみが傷ついた心を和らげてくれる良い薬となる.
そして,いずれまた勇敢に相場に立ち向かえる時が来るのである.
そもそもトレード恐怖症になるようなトレードをすること自体が間違っているわけなので,そのことは猛省すべきことであり,二度とトレード恐怖症になるようなトレードをしてはならない.