「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
肥前国第9代平戸藩主,松浦清の言葉であり,後に元プロ野球選手で名監督でもあった野村克也元監督の座右の銘でもある言葉.
この言葉はトレードにおいても然り.
トレードにおいて自分の意志でコントロールできるのは損失の額だけであり,利益の額はコントロールできない.
毎回同じ仕掛けをしたとしても,そのとき利益になるかどうかは自分の意志で決めることはできないが,そのときの損切り額は自分の意志で決められる.
自分が決めたところできっちりとロスカットができるのであれば,それは自分が決めたトレードルールに従ってトレードができているということであって,そのトレードの結果がたとえ損失で終わろうと,正しいトレードを行ったということで,これは勝ちに等しい.
しかし,自分が決めたトレードルールを守らず,損切りすべきときに損きりせずに祈っていたら,結果としてプラスで終われたというのは,たとえプラスで終わったとしても,これは不思議の勝ちであり,トレード結果としては負けである.
トレードルールは利益を積み上げていくルールであると同時に,大切なトレード資金を守るルールでもある.
そのルールを破るのであれば,何のためのトレードルールなのか分からない.
もし,毎回損切りすべきところで損切りせず,その後,トレード結果がプラスで終わることが多いならば,そもそもそのトレードルールが間違っている可能性もある.
そのときは,トレードルールの修正が必要であろう.
自分が決めたトレードルールに従ってトレードを行わなければ,いずれ致命傷となって自分に跳ね返ってくるときがある.
そのときになって,「負けに不思議の負けなし」,まさにその通りだったなと思っても遅いのである.
トレードは,自分の意志でコントロールできることはきっちり自分の意志で行う必要がある.
トレーダーは祈ったら,負けであることを忘れてはならない.